スピードあげてけ

 

観光ドライブ旅行2日目の朝。謎に一番早く目が覚め、準備を始める。続々と起きてくる友人たち。チェックアウトは10時で、一ヶ所だけ観光した後すぐに彼らを出迎えた駅に直行し、昼にはお見送り予定だ。今日は短い。というかお迎えしてからあっという間だったな。ドラッグストアで全員分の水を買い、車に乗り込んだ。

目的地までの道はそこまで難しくはなかったが、ずっとバスが前にいた影響で信号がめちゃくちゃ見えづらかった。だけど、バスのお尻についていた広告が昨日道中に立ち寄った温泉施設だったりして笑った。有名なとこだったんだな。この土地は道が広くて運転自体はしやすいのかもしれないが、車線が多い上、物理的に薄くなっていて本当にわかりづらい。何度か右折や左折の車線を間違えるほどだった。なるほど、ここがネックなんですね、、、目的地自体には割とスイスイ来られたけれど、駐車場が笑っちゃうくらい並んでいた。たしかにいいお天気の日曜日。そりゃあ混みますよね。とはいえ友人が同乗していたのでイラつくこともなく、なんならドラマの話や私の推しの話を延々とするなどして楽しく過ごせた。推し語りしちゃってごめんね?ただ、楽しく過ごせたとはいえ予定よりはだいぶ遅れての到着だったので、当初の目的だった朝食兼昼食を済ませ、お土産屋さんに寄ったのちすぐに駅へ向かわねばならなかった。

さて、ここからが個人的最大難関。高速道路だ。行きに同乗してくれていた友人たちは運転経験がほとんどないため、もう一つのグループからアドバイザーとしてドライバーを召喚した。そんな感じで駐車場をあとにし、まずは高速道路のインターチェンジへ。アドバイザーに色々と助言をしてもらいつつETCを通る。実は実家の車にはETCがついていないため、自家用車でETCを通るのは初めてでかなりドキドキした。バーが上がるまで通れなかったらどうしような、、、と本気で思っていた。杞憂でした。ガーン開いたわ、バー。

もうそこからはかなり緊張し、合流するまでの記憶があまりない。車量少ないからそのまま行っちゃえ!って言われて気づいたら高速の上だった。アクセルをいつも以上に踏む。それでも足りないのでもっと踏む。これくらいかな、、、と思って油断するとスピードが落ちる。どんどん追越車線で抜かされ、これ、私ひょっとしてノロノロ車になってる?!と思って頑張って踏み続けてキープする。高速道路とはいえど、結構カーブが多い道路になっていて事故が多いという話を思い出してヒヤッとする。中央線踏みかけてるよ、と言われ慌てて軌道修正。かけていた音楽も道を走る音であまり聞こえない。カーナビが時々何か言っているようだが一切聞き取れない。ウワ〜〜でも高速走ってるよ私。すご。進化じゃん、、、と思っているとスピードが落ちるので頑張る。めちゃくちゃ真剣な顔をしていたと思う。結構時間がギリギリなので、ちゃんとスピードを出して友人たちを新幹線に乗せねばならない。ウォ〜〜〜!!とアクセルを踏み続けていると、アドバイザーがそろそろ慣れてきたみたいだね、と少し安心していた。

しばらく走り続けていると、前の車と車間距離がだんだん近づいてきた。これは。追い越しチャレンジか???後部座席の友人にタイミングを見てもらい、アドバイザーに簡単に手順をおさらいしてもらう。追い越し、いきます!ウィンカーを出したのち、ハンドルを緩くきって追越車線へ躍り出る。よし、いい感じ。となって気が抜けた。のだと思う。そこから一向にスピードが上がらず追い越せない。ええ???めっちゃ踏んでるのに???掛け声だけは「いっけえええ」とか威勢はいいのに???友人たちに爆笑されながら、なんとか追い越して元の車線に戻る。想定よりかなりスピードをあげないといけないのか、、、、となんとなくコツを掴んだ気がしたが、その後何回か追い越しチャレンジに挑むも追い越すのに時間が少々かかってしまうのでした。課題ですねぇ!!!

目的のインターチェンジをなんとか降り、ああ、この道に出るのか、、、と納得。行きに通った道だった。高速後の一般道はスピード感覚が相当バグるのを実感した。これは、、危ないな、、、、途中踏切があったので、一時停止をして窓を開けて確認する。その姿をみたアドバイザーが「踏切はちゃんとすんだな、、」とボソッと呟いて、「意外と運転雑だよね」と笑った。うそん。かなり安全運転心がけたつもりなんだが!いっぱいいっぱいで色々気づいてなかっただけだわ。きっと。いや確実に。ていうか気づいてたんなら言ってくれよぅ、、、

思いの外時間には余裕で、なんならもう一台の車よりも早い到着だった。駅近の駐車場にて最後の最後に駐車に苦戦するなどしたが、無事に彼らを駅まで送り届けられた。生きて帰ってきたよ!次に会えるのは夏かね〜などと言いながら、改札に消えゆく友人たちを見送ったのだった。

 

数日後、スーパーへ買い出しに行くのに車を出した。満タンだったガソリンメーターは半分くらいに減っており、走行距離もかなり増えていてフフンと得意げになる。さて、帰ってきて駐車タイム。

一発。

生まれて初めての一発駐車。

我ながらかなりビックリして、あの2日間での成長を実感した。

また運転頑張ってスキル上げておくから、遊ぼうね。ただ私の住む土地はやはりかなり遠かったらしく、去り際に声高に言われた。

「次どこか行くなら、関東とこことの中間地点で!」