箱根の山は天下の険
箱根駅伝の往路で一通り盛り上がった日の夜に『風が強く吹いている』の実写映画がテレビでやっていて思わず見入ってしまう。『風が強く吹いている』、原作がすごく好きでアニメも全部観た。映画をやっていたのは知っていたし、キャストも大まかには知っていたけれどちゃんと観たのは初めてだった。映像が綺麗だし雰囲気も原作に沿っていていい感じだったけれど、大会当日の区間ごとのランナーたちのモノローグが好きすぎて「もっと!!もっと映画でもやって!!」と欲しがってしまった。モノローグ欲しがり芸人。そしてまた原作を読み返したくなるのだった。
原作を読んだのが先だったか、箱根駅伝にハマったのが先だったか曖昧だけど、一時期そういう時期があった。高校受験する年のお正月で、勉強の合間に見た5区のランナーに心を惹かれた。当時の箱根駅伝といえば、かの有名な山の神、柏原を擁した東洋大学が活躍凄まじく、例え何位だろうが山にさえ差しかかれば区間記録!往路優勝!という感じの頃。親が好きなのでなんとなく毎年箱根は観ていたけれどそんなに興味もなく、どうせ今年も柏原で東洋が優勝でしょうと思っていた。そんな中、5区まで首位の早稲田大のランナーが柏原に抜かれはしたものの差をかなり小さく留めてゴールした。シュッとしたスタイルと顔立ちに惹かれたのがきっかけだが、一般入試で入ってきたこと、入部当初は下から2番目の成績だったこと、そこからコツコツと積み重ねて4年生の最後に初めて箱根駅伝を走れたことなどがとりあげられ、受験期という状況も重なってもう一気に虜になったのだった。
その年の早稲田はそのまま数秒の差で東洋を下し優勝。出雲、全日本と三冠を勝ち取ったのだった。もうそんなもんだから露出がしばらく多く、受験期なのに箱根駅伝関連番組を全て観て、画像を漁り、彼が出ている陸上雑誌を買いまくり、そこで知り得た彼の座右の銘を、走っている画像に入れて待ち受けにした。まぁ結果は無事に合格したのでよかったけれど、今思えばだいぶ危ないことをしていたなぁ、、、
しかし当然ながら4年生なので箱根を最後に卒業、しかも大手の一般企業に就職して陸上選手生命を終えてしまったので供給がパッタリとゼロになった。そこからもしばらく早稲田を応援して箱根を楽しんでいたけれどなかなか成績も振るわず、気づけば選手も全然わからなくなっていったのだった。
『風が強く吹いている』に触れると、そんな私の決死の推し活もセットで思い出す。ちなみに当時の推しは、大人になってからアナウンサーと結婚され、そのアナウンサーが産休を取るたびに「ああ、、彼も二児の父に、、、」と謎の感慨が生まれている。供給がゼロの推しの、ライフイベントだけがわかる世界。
そんなことより箱根駅伝、今年も面白かったな〜〜青学つえ〜〜〜〜シード権争いも熾烈でアツかった。そういえばあの年もそうだったなぁとボンヤリ思い出していると、その年に生まれた伝説の「寺田交差点」というワードが実況でも触れられていてニッコリしてしまう。
すっかり私も懐古厨になってしまっているみたいだ。