スタートラインにさよならを
【前回までのあらすじ】
紆余曲折ありながらもマラソン大会の当日を迎えたのだった。
*
前日は春にも関わらずピーカンで、こんな天気だと走るのしんどそうだなぁと思っていたのだが、翌日は曇りで涼しくてありがたい。日頃の行いかしら。
もらったランニングウェア一式を身に纏って出発。更衣室があるとのことで、帰りは着替えて帰れそう。ありがたい。
会場は商業施設と海の近くで、たくさんテントが立っていてお祭りのよう。受付周辺に行くとすでにキャプテンが準備万端の様子で待っていた。その後も次々と合流。私が今回の大会を引き受けたせいで断れなかった!と文句を言ってくる子もいたが、私より圧倒的に速くて体力おばけなことを知っているので軽く流す。
周りを見ると、みんなランニングの装いでストレッチをしながら、なんとなくソワソワしている。すでに小学生のレースは始まっており、大人顔負け、というか圧倒的に速いかもしれないちびっ子たちが次々とゴールテープを切っている。みんなで彼らのタイムにちょっと引く。きっとこういう子たちは運動ができない大人のことを理解できないのだろう。そういう大人もいるんだよ。そんな異文化な人々を前に、なんでここに私がいるんだろうと内心めちゃくちゃ面白くなってくる。
日焼け止めはバッチリ。ただ頭が焼けるのを防ぐための帽子だけがないなぁと思っていると、チームの1人が「前ノベルティでもらったけど似合わないから!」とピンクのランニング用帽子をくれた。私も似合ってるか定かではない色だけど、本当にいいのだろうか。ありがたく受け取る。
2時間で1人ずつ2kmを走るリレー方式で、今回我々のグループは8人。4人ずつ分けることにして、我々のチームはガチそうなメンツが集まったのだった(私がタイムの平均を著しく下げている)。順番を決め、私が一番最後のランナーとなった。みんな回数を走りたくないので、むしろタイムが遅い方がありがたいと言っている。がんばって練習、しない方がよかったのか、、、?ちなみに第一走者は誘ってきた張本人、向こうのチームの第一走者は彼だった。
スタートの合図がなり、一斉にゲートからみんな飛び出してくる。我らの2チームは仲良く並んで走っていて、手を振ってきたりして楽しそうだ。スタートゴール付近にチームで陣取り、小さくなってゆく2人を見守る。走者が小さくなって見えなくなると、なんだか何にも起きてないみたいで平和だ。まるでピクニックをしているかのよう。のんびり海辺の原っぱで過ごす。
第一走者の一位のチームが帰ってきた。ぶっちぎりですごい。コースの都合上、ゴールを一度通り過ぎて折り返して襷を渡す仕様になっている。だから2度盛り上がりがあった。社会人鉄人アスリートってこんな感じの人なんだろうなぁ、、と走りきった後娘さんを抱っこして群衆に消えゆく一位の人を見て思う。娘さんも誇らしげだ。
我々のチームの第一走者も、彼が帰ってきて、続けて発起人も帰ってきた。双方肩で息をしているがどこか楽しそう。続けて第二走者、第三走者と帰ってきては走り去ってゆく。
さて、いよいよ私の番だ。
向こうのチームの第四走者はバスケ部の中でもランニングが嫌いらしい。「私のこと抜いてっていいからね〜!」と先に出ていった。このチームの少し後ろに、我々のチームの走者がいる。
そわそわ。
スタート地点に立つ。
あ〜〜やっぱ引き受けなきゃよかった〜〜〜
異様な雰囲気の会場に飲まれそうになる。一気に走ることが嫌になってきた。周りに走ってる人がいるとペースが乱れる未来しか見えないし。
しかしそんな私を待ってくれはしないのだった。
第三走者が走ってきて、襷を私に渡す。
「よろしく!!」と息も絶え絶えに言われる。
そんなんもう走るしかないじゃんか。
マラソンの走り出し方なんてわからないけれど、とにかくスタートを飛び出す。どんなペースで走れるんだろうか。ちゃんと並のタイムを出せるんだろうか。襷の付け方ってこれで合ってる?つけたことないからわかんない。不安に押しつぶされそうになりながら駆け出した。
チームメイト達にもあまりにこやかに手を振ったりとかもできず、そのまま孤独な戦いへ。
思っていたよりも風が強い。帽子が風に煽られるので早々にとる。せっかくもらったのに、しょうがない。大所帯でたくさんのチームを作って走っている人もいるようで、すれ違うたびにハイタッチをしている。お揃いのユニフォームを作って、ガチで "獲りに" きている人たちもいるようだ。後ろから迫り来る足音がかなり怖い。大抵追いつかれて抜き去ってゆくのだが。
想像していたけれど、周りの雰囲気に押しやられてペースがだいぶ速そうだ。疲れが来るのが早い気がする。少し落としてみようかな。
折り返し地点ってどこなんだろう、と思っていると折り返した人たちのレーンから名前を呼ばれる。向こうのチームの子だ!「がんばろう!」とハイタッチを交わして去ってゆく。ちょっと嬉しい。
スタッフ数が増えて、ここが折り返しか〜?と思っていると実際はもう少し先だった。危ない。ぐるっとコーンを折り返して来た道を戻る。
あとはもうひたすらに前に進むだけ。
前に一緒に頑張ってる仲間もいるし、どことなく心強い。追いつければいいんだけど、さすがにそこまで高望みはしなくていいかな。
チームメイトがいるエリアまで来た。
もう少しだ!手を振って声援に応える。
ゴールラインを抜けて、最後の折り返し地点まで。ここがなんだかとても遠く感じる。後ろからガチチームの足音も聞こえる。
ていうか襷って、どのタイミングで取るの?!ワタワタしながら肩から外し、両手で持って2巡目の第一走者を視界にとらえる。手を振っている。
襷を渡す瞬間に何を言ったかあんまり覚えてないけれど、「ごめーん!」と謝ったような気がする。そんな私を彼女は「えらいえらい!頑張った!」と褒めて駆け出していった。かっけー、、、、
時計を止めると、今までで最速記録だった。誠に?この時計あってるのかよくわかんないんだよなぁ。と思いながら陣地へ戻ると、みんなに労われつつも「スタートしたての時の顔が、めっちゃ嫌そうで面白かった」と爆笑された。
えーーーーー、私の中では色々な葛藤があったのに、恥ずかし、、、、、、、、、
その後、2巡目の第二走者くらいでチーム間で協定を結び、一緒に走ってゴールを目指すことになった。第四走者組は、走るのが気が滅入るのでM-1を観ながら走りたいという向こうのチームの子に合わせ、令和ロマンの決勝とファイナルを観ながら走った。あんまり音は聞こえなかったけれど、なんか楽しいからまぁいいか。ちょうど決勝とファイナルでちょうどいいくらいの時間で走り切れた。3巡目は第三走者までで2時間が終了。ラストはみんなで途中から走ってゴールテープを切ったのだった。
みんなより走った回数は少ないし、たったの4kmだけど、なんとなく達成感はすごくてニコニコしてしまう。やればできるってことかしらと調子に乗る。
その後みんなで行った居酒屋で飲んだビールは、最高だった。
ちなみに、あの後一回だけ仕事終わりに走ったきり、ランニングシューズは靴箱で眠っている。
習慣がつけられたらよかったね。やるならまたゼロからスタートだね、、、、、、
コンプレックスを叩き直せ
【前回までのあらすじ】
マラソンのイベントに出ることになった。
形から入るのに父に頼ったら、父が嬉しそうだった。
*
週に1〜2日くらいコツコツ走ってみても、なかなか上がらないタイム。というかだんだん落ちてきてさえいる。少しずつ湧いてくる焦燥感。装備は揃っていて、煩わしさを感じることなく走れるようにはなってきている。
だから、あとはたぶん私の問題なわけで、、、
微々たるタイム差に一喜一憂する私の横で、同じイベントに出る予定の彼はコツコツとタイムを上げていた。元々運動神経がずば抜けて良く、私の知る中で一番なのではと思うレベルの彼。彼にとってはタイムを上げる、というより部活の現役時代を取り戻すという感覚らしく、スタートラインがもう、存在が見えないくらい違うのはわかっているのだけど。まぁ焦るよね。
私だけめちゃくちゃに遅かったらどうしよう、、、、
そんな私を知ってか知らずか、休みの日になんとなく一緒に走ることに。まさか学生時代の駅伝大会で区間賞をとった人間と肩を並べて走ることになるなんてねぇ。一緒に走る中で、私の走り方の悪いところを教えてほしい!とお願いをし、スタート。
他人と走る経験なんて今まであっただろうか。なんとなくの走りづらさを感じつつも前へ進む。ペースがよくわからなくなって、すごく早い段階で疲れてしまった。
家の周辺をぐるぐると回り、彼は私の後ろについたり前についたり、自在にペースを調整している様子。前に出てきて走っている彼を見て、軽やかすぎて羽が生えてるみたいだなぁと思う。あんなに軽く走れるなんて、やっぱ運動神経いいんだなぁ。最近スポーツしている姿を見ていなかったので、そのことを改めて実感した。
2kmくらい走ったところで終了。私のペースに合わせてくれていたのでタイムはそこまで上がってもいない。彼は「非常に走りやすいペースだった」とのこと。そうでしょうねぇという感じだし、彼のペースで走ることは不可能なのだけどなんとなく悔しさを感じる。そして、ガニ股気味になっているところでロスが生まれているのではないかということ、足を上げるのがだいぶ低めであること、ドスンドスンとなってしまっていることを教えてくれた。ちゃんと走り方見てくれてたし、分析もしてくれてた。すごい。
とはいえ改善していくのがなかなか難しい点たちだなぁとも思う。特に、ガニ股気味なのは普段の歩き方からもそうで、直したくても直せていないところだ。どうすればいいのだろう、、、、
なんとなくここで、このランニングへの挑戦は自分のコンプレックスと向き合うことに等しいな、と感じた。これはしんどい作業なのかもしれない。でもやるって決めちゃったから、やるしかないんだよね。
彼と走った数日後、もう一度1人で走ってみる。できるだけ足を上げて、彼のように軽やかに走るイメージをもって、ガニ股にならないように意識をして。意識しつつも多分なっているんだろうなぁ、鏡がほしいなぁ、、、と大体2km走ったところで一度タイマーを止める。
あれ?ほんとにこれあってる?
1分半くらい縮まっているんだけど、、、、?
自分が少し怖くなり、もう一度同じくらいの距離を走るも前回走った日より1分くらい速くなっている。
え、アドバイス的確すぎた?すごすぎん?
驚きつつ家に帰り、彼に報告するとシンプルに「え〜すごいじゃ〜〜ん」と言われた。リアクションの軽さに双方のすごさがちゃんとわかっているのか不安になるも、目標タイムがここにきてグッと近くなった。
あと30秒だ。
とか言いながら、職場の先輩に勧められた安価なスマートウォッチを買って数日後に測ると、すんなり目標を達成して拍子抜けした。その後何回走っても目標タイム以内である。
は?
これ、アプリかスマートウォッチか、どちらか計測が間違ってるんじゃないか、、、、?
そんな疑念を抱きつつ、大会当日を迎えたのだった。
思いがけず孝行
【前回までのあらすじ】
運動と29年間仲良くなれなかった私が、なぜかランニングの大会にでることになってーーー?!
*
大会まであとひと月くらい。自宅のカレンダーにはしっかりと印がされている。
やばい。数をこなすしかない。とりあえず仕事が日勤帯の日は帰ってきてから夜な夜な走ってみることにした。
きっかけのランニングヤ◯ザである友人にオススメウェアを聞くと、まさかの一式私物を送ってくれた。あ、ありがたすぎる、、、、彼女の、他人に何かを勧める時の本気を見た。
これは、ガチだ。
ガチならば、やらねばなるまい。
彼女の送ってくれたウェアはピッタリで、着ただけで足が速くなる気がした。なってくれ。スマホにインスタのストーリーでよく見かける、NIKEのランニングアプリを入れた。入れるだけでどこまでも走れる気がした。走れてくれ。そのまま適当にストレッチをしてスタートボタンを押す。
2km。とりあえず2km。
なんとか。かろうじて走れはするようだけど、めちゃくちゃ遅い。目標タイムよりも全然かかっている。あとスマホがすごく邪魔だ。ポッケに入れていてもバルンバルン跳ねて鬱陶しい。なんなら一度落とした。手にずっと持つのもいただけない。
うーーん、ストレスを減らすためにも、ランニング用のポーチを探すかね。
そこで頼ったのが、父である。何を隠そう、父の趣味はランニングなのだ。昔何かで有吉弘行さんが「人は一定の年齢を超えると走り出すよねぇ」と言っていたけれど、まさにそれだった。父の場合は50手前くらいだっただろうか。週末になるとギラギラのサングラスをかけて、元気に家を出て走りにゆく。股関節を痛めるまではよくハーフマラソンの大会とかに出ていた。フルはさすがに厳しいらしい。応援にも行ったことはあるけれど、内心よくやるよなぁ、、、と感じていた。
まさか、"そっち側" になるなんて、ね、、、、
父は結構グッズを集めたりするのが好きなので、思い切って頼ってみることにした。私の家の周辺にランニング用品を扱っているお店もなかったので、実家に行って相談し、地元の大きいスポーツ用品店に来た。欲しいものを告げると、途端にお店の中を慣れた足取りでズンズン歩き、気づけば目の前にたくさんのランニングポーチが並んでいた。そして、各商品のメーカーの話、便利さ、何が入るかを流暢に語りはじめる。
その時の父の嬉しそうな顔と言ったら、、、!
母も姉もランニングはさっぱりなので、父は家族の中でそういう話を滅多にしたことがない。そんな中突然末の娘から頼られたら、、、それだけで立派な孝行になるのかもしれない。嬉しそうな父を横目になんだか照れくさくなりつつも、私も少し心がじんわりと温かくなるのだった。そして、そこまで高くないスポーツ用品店の自社メーカーのものを選んで購入(買ってくれるかとちょっと期待したけど、そこまで甘くはなかった)。
選んだのは、腰にピッタリと巻いて、後ろにポーチ部分を回すウェストポーチ。かなり薄いのでスマホと鍵くらいしか入らないけれど、そこまで他のものを入れる必要性はないのでヨシ。パチン!とバックルをはめる。全身の装備だけ、ちゃんと走れる人っぽくなった。形から入るタイプです。足速そう、速くなってくれ。
そのままカバンにスマホとキーケースを入れて、ストレッチをして走り出す。
うん、いい感じ。荷物の邪魔さは気にならない。
父に感謝しつつ、ランニングアプリの数字と睨めっこする。
まだまだタイム、上がらないわね、、、
私(一定の距離)運動
運動、スポーツ。そういったものに一切自信はない。
生まれてこのかた、運動と一定の距離を保ったまま大人になった。
30歳まであと半年。
そんなタイミングで、なぜか運動を得意とする側の人たちに混ざることになったのだった。
バスケ部のマネージャーという、文化部ではないが運動部と胸を張っていえるわけでもない、絶妙なポジションに収まっていた高校時代。私は男バスのマネージャーだったのだが、女バスの子達も気のいい子ばかりで仲良くしてくれていた。そんなバスケ部から数人集まった飲み会にて。かねてよりランニングをバリバリシャキシャキ走る女バスの鉄人が同席しており、数々の同級生を巻き込んで大会に出ているのは知っていた。そんな彼女の産後初めての飲み会の同席で、対角線上に座っていた私とふと目が合う。ニコッと微笑まれた。そして、
「一緒に、走らない??」
今思えばそれは悪魔の誘いで(失礼)、いつもならすんなりやんわりお断っていたはず。ただその時はお酒が入っていたこと、久しぶりに会えた彼女からの誘いだったこと、そして、30を目前にして運動という行為に対しての苦手意識を克服したい気持ちが、少なからずもあったこと。年明けから週2くらいのペースで通い続けているピラティスによって多少運動へのハードルが下がっていたのも相まって、タイミングよくピースが綺麗にはまり、首を縦に振ってしまったのだった。
そしてその場であれよあれよという間にメンバー集めがなされ、グループが作られ、いよいよ逃げられなくなった。
はっきり言います、後悔しました。
男バス部員と共にスノボを赴いて雪山に取り残された高校卒業旅行。スノボはダメならスキーで!と再びチャレンジしたら山の中腹で見事に捻挫し、スノーモービルで下山した大学3年の春休み。そんな経験を経て、運動ができる側の人たちとスポーツをすると碌なことがない!と学んでいたのに。なぜ、私はまた同じ轍を。
とはいえ誘われた種目自体はそこまでハードなものではなく、2kmずつ襷を繋いで時間内に周回した回数を競うリレー形式のもの。
だから、とりあえず2km。2km走れればいい。
大会まではひと月半ほど。目標タイムは12分。
ここまでくると、もうやってみるしかない。
まず仕事終わりにちょっと走ってみることにした。ランニング用の服などないので、高校時代に部活で着ていたTシャツ、バスパンの下にピラティスで着ているレギンスを履く。いつだったか買った薄いジャンパーを羽織り、軽く身体を伸ばして走り出す。AirPodsを耳につっこんでポッドキャストを聴きながら走ろうと思うも、走る衝撃でポロポロ落ちる。ストレスすぎて両耳外してポケットに突っ込んだ。AirPodsってランニング向きじゃないのね。
結構走ったなぁと思って、ちょうど信号で止まったところでスマホをポケットから取り出してGoogleマップを開き、スタートと今いるところの距離を測る。
900m。
えっ。
1kmもいってないの?!
一言で言えば絶望。もう疲れてしまっていたので一度クールダウンのために少し歩き、再び少し身体を伸ばして走り出す。
今どれくらいだろう。そのことしか考えられない。
いちいちGoogleマップを出しながら測るのがかなり面倒で、気恥ずかしさからランニングアプリを入れるのを避けた自分を激しく後悔した。
どうしてもちょっとずつしか走れない。
疲れたなぁと思って見ても、1kmもいってない。
走って、止まって、歩いて。
そんなことを繰り返して家についた。
思い返せば、中学のマラソン大会以来1km以上走っていない。とりあえず2km、されど2km。
運動習慣も基礎体力もない者には結構しんどい距離なのだ。
そんな事実に真顔になり、こんなんもう目標タイムがどうとかって話ではないのだと頭を抱える。
やばい、これは、やばいぞ。
大会まで残りひと月とちょっと。
運動を避け続けてきた私の、鬼の1ヶ月が始まった。
開花宣言
ボンヤリと日々を過ごしていたら3月も後半に差し掛かっていた。最近月日が経つのが早すぎて引く。一昨日くらいに先月末の勤務の締めをしたはずでは、、、、?
もう来週には4月1日を迎え、私は社会人6年目になる。先輩から「5年目以降は中堅社員でしょ〜」と言われてビビる。短期間で2部署周り、現在の3部署目がまだ一年経っていない状況で自分の知識の浅さを憂えている。正直なところ、今まで「なんか難しそうな話になってきたな〜そういう難しい話もちゃんとやる段階になってきたかなぁ〜〜」ってタイミングで毎回異動してしまっているので、こう、、責任のあるどっしりとしたボリュームの仕事を任されていない。見かけだけはしっかりして見えているようで、その中身がまるで伴っていないんじゃないか、、、と焦る。今回の部署は恐らく短期で異動はないと踏んでいるので、腰を据えて取り組まねばならない課題にも喰らいついていかないといけないよなぁとなんとなくプレッシャーを感じてもいる。
要は、たぶん私自身の中に責任を逃れようとする狡い私がいるんですよ。嫌だね。
とはいえそろそろ自分のメインスキルも欲しいし、そのためにはそんな狡い私をとっ捕まえて、のらりくらりと交わしてきた姿勢を改めないと、、、
そんな少し重い心を感じつつも、やっと春めいてきた陽気に浮かれ上がり、コートを着なくても良い日々を褒め称えながらルンルン歩いている。これがプライベートと仕事の顔の使い分けというやつか?でも暖かい毎日、最高じゃないですか?どれだけ花粉でどこか調子が悪かろうが、私は季節の中で春が一番好き。ずっと春でいてほしい。頼むよ地球、、、
大学での数少ない今も仲のいい友人から、お花見がしたいと言われて計画を練る。もう1人仲のいい大学の友人を誘って、いよいよ今週末が決行の日だ。近所の桜も少しだけ花が開き始めている。今日東京も開花宣言が発表された。満開には少し早いかもしれないけれど、花は見ることができそう。楽しみ楽しみ。
自宅から隣駅まで向かう線路沿いが綺麗に舗装されているのだけど、そこもいい感じに桜並木になっていて、どれだけ綺麗な景色になるのかと今から心躍っている。この街で迎える春は初めてなので、色々なところを散歩したいな。
家に花を飾る習慣はまだ続いていて、先日は一足早くお花屋さんで桜を買ったのだった。

調べてみると啓翁桜という早咲きの桜の品種らしい。家に桜がある生活、想像以上に良くて毎日ニコニコしてしまった。とはいえ桜は花が落ちる木。気づけばポロポロと花や額が落ちてしまい、少し掃除に手間取った。いまは葉っぱが花の後から顔を出している。

ひと足先に、若葉の季節だ。
異国じゃない異国記
お昼にパスタが食べたくて街に出た。窓から見る日差しはポカポカとしていて暖かそうに見えたけれど、実際に外に出てみたら風が冷たくて寒かった。数日前に味わった暖かさが恋しい。
先週、出張だった。行き先は沖縄、高校の修学旅行ぶりだった。初日2日目は風が強かったがそれでもコートいらずで過ごせるほどで、後半はトップス一枚で余裕だった。あたたか、、、、あたたかこいしい、、、
休職者支援とのことで、仕事内容は私が去年の夏までいた地方の内容とほぼ変わらないだろうと思い、易々と引き受けたのだった。実際仕事内容は穏やかなもので、働く人々も沖縄の気候に似て温かだったので難なく終えることができた。仕事終わりに先輩に老舗沖縄料理屋に連れて行ってもらい、書いてあるメニューの料理が一つもわからなくてたまげた。他にも色々と沖縄の文化の話を地元の方からたくさん聞く機会があったが、ここは言葉が通じる異国だ、、、と感じた。まぁ過去の歴史的にも異国だったんだもんなぁ。予約していた席に三線を持ったお爺さんがすでに座っていて、みんなが揃うまで沖縄民謡を三線を弾きながら歌いつつ喋り、後で会話の中で出てきた名前を調べたら沖縄民謡界の権威ある教授だということが発覚してかなり面白かった。普通の、沖縄の感じで言う普通のおじいだった。かなりバラエティみたいな出会い。こんなことあるんや、、、、その後「沖縄のディープな夜を教えてやろう」と先輩にスナックへ連れて行かれ、神戸から来た女性と肩を組んで亜麻色の髪の乙女を歌うなど。かなり長く他では味わえない夜を楽しんだりした。
また、午後勤が多かったので午前中は沖縄のオススメされたお店をあちこち散歩して回り、海を見に行っては遥か彼方の記憶の断片が輝き出して「わたしは、修学旅行で、ここにきた、、、、」と立ち尽くした。台風と共に上陸した修学旅行生であった我々は、当初の日程を大きく変更せざるを得なかった。この海に来たのは班別自主行動のうちの一つで、「台風直撃のため海には近づかない」という約束をこっそり破ってタクシーの運転手さんに一番近いビーチに連れてきてもらったのだった。もうこれは時効ですよね、ね。とはいえ直撃した後の道程だったのでそこまで海は荒れてなかったから許されると思う。ただ、今回歩いて来たあの頃と同じビーチ。記憶の中の水の色が全然違う。め、めちゃくちゃにキレイだ、、、、、

きっとあの日は台風直後で濁っていたのでしょう。それに、かなり人がいて賑わっている。なんか浜辺で出張サウナみたいなこともしている。薪で炊いていて少しこげくさい。あの日は、私たち以外いなかった気がする。今回、春節も相まってどこもかしこもかなり観光客が多く、ここも外国の言葉が多く聞こえた。今でこそこんなに人がいるけれど、あの頃はそんなに有名じゃなかったのかな。それとも台風の影響だったのかな。わからんけど。
このビーチだけではなく、てくてく歩いていると他の箇所にも高校時代の記憶が蘇る場所がちらほらとあった。その度に失くしていたパズルのピースがカチリと合うような小さい衝撃が走る。中でも班別自主行動の記憶は、色々と若かったなぁとなんかこう、、どうしても苦笑いが出てしまう。班のメンバーとはもうすっかり疎遠だ。そうか、この沖縄の旅は修学旅行の思い出を上書きする旅でもあるんだな。あの頃写真を撮った大きいシーサーは、今見るとそこまで大きくはないのだった。
ただ、上書きしたくない記憶も中にはあって。班別自主行動中にタクシーの運転手が連れていってくれた沖縄そば屋さんがめちゃくちゃおいしかった。その、おいしかったということだけ覚えている。運転されるがままに連れていってもらったので、どこの何てお店なのか10年以上経っても何もわからない。そこだけはどうしても思い出したいのに、周りの景色などのヒントもまるでない。先述した通り班員たちともすっかり疎遠なので、再びそこの沖縄そばを食べる術は全くないのだった。
10年以上経った今も恋しい、幻のお店である。こういう思い出は、むしろ謎のままにしておいた方がいいのかもしれないけれど、、、
現実に戻る。1週間前の沖縄の暖かさと、幻の沖縄そばのお店に思いを馳せながら、東京の寒空の昼を歩く。まだまだ冬は終わらない。白いため息をついて、最近できたイタリアンのお店のドアをくぐるのだった。
次は完全なプライベートで、沖縄行きたい。
けずりだせ元気!
今朝はしとしとと雨が降っていたにも関わらず、空気はそんなに冷たくない。夕方の今も、ここ数日とは異なる少し柔らかい空気と夕陽が街に差し込んでいた。今日は暦の上では大寒らしいけど、寒いのが苦手な私からしたらありがたい天気。このまま暖かくならないかなぁと思うけど、来月はまだ2月で、なんならここからまだまだ寒い時期で陰鬱な気持ちになるのだった。
ここ最近、今年度のまとめのような作業が多くて色々と考えさせられる。来年からは6年目で、中堅社員の部類になるらしい。そろそろ自分のためだけではなく、会社がよりよくなるための目標を立てるべきだそうだ。もう私、若手扱いじゃなくなるのか〜、まぁ今年30だしなぁ。会社のために、、、なんて本当に考えたことがなさすぎて笑っちゃう。そんな私が中堅社員になんてなっていいんですかね。とりあえずそれっぽい目標を立てておいてみた。
先日、新作のリップのテスターをもらってつけてみたら明るいピーチピンクでとても可愛く、これは欲しいなと思ったのでカウンターで予約をしに行った。その際何色かつけてもらったけれど、テスターでもらって気に入った色は、その時私には少し明るすぎて見えた気がした。別の色がたぶん私の肌の色的には一番似合っていたし、店員さんの反応もハッキリしないけどそんな感じだった。でもやっぱりテスターの色がつけたら元気が出そうだったので、最初に欲しいと思えた色に決めた。その後、淡々とした対応のまま、予約の手続きを行う。そんなに似合ってなかったかなぁ。店員さんの反応が少し引っかかってやめようかなとは思ったけれど、似合う色より好きな色を選べたのは少し成長?かも。今日取りに行ったけれど、その時も店員さんの対応があまりいい印象が持てず、このブランドを買う時はここの店舗はやめておこうと思う。テスターをくれたところは実家の方で、すごく感じがよかったのにな。人の対応の感触で嬉しい買い物の嬉しさも少し減ってしまうの、ちょっと悔しい。販売業ではないけれど、私はああはならないぞと心に誓う。
なんとなく今日はダメな一日な感じがして、まぶたも半分くらいしか開いてないし、眠いし、甘いものが食べたいけど具体的に食べたいものもないし、帰ってからソファにもたれかかってじっとしていた。なんだろう、、、と思ったけれど、お風呂に入って、最近詰め替えなきゃいけなかった化粧水やらヘアミルクやらを満タンにしたら少し元気が出た。元気バロメーターだったのかな。そのままの元気のまま、簡単にご飯を作ることができたのだった。
そうやって日々をごまかしながらなんとか乗り越えていく毎日です。