サグを求めて

先日、彼が夜いないとのことでたまには一人で外食でもするかと思い、仕事終わりに街に出た。飲む気分でもなく、何を食べよう、、、と考えた時に家の近くのカレー屋さんが思いつく。インドカレー屋さんらしく、いつみてもお客さんが入っている。気軽には入りづらい店構えなのに、さてはきっと美味しいのだろうなと睨んでいて、そのうち食べに行きたいと思っていた。行ってみるか。
私はインドカレーのほうれん草カレーが好きだ。サグというらしい。見た目は完全に映えないけれど、勧められて食べたらかなり美味しくてすきになった。あとあと気づけば、勧められた時のお店自体がかなり美味しいところで、私が人生いち恐れている教授に連れていってもらったところなのだった。大学の最寄りで、その後も在学中何度か行ったけれど、毎回教授に会うんじゃないかとヒヤヒヤしていた。味は毎度おいしかった。卒業後は一度も行っていないけれど、先日ビルの前を通るとまだ元気に営業してそうなのだった。
その後インドカレー屋さんに何度か行くも、ちょうどいい位置においしいお店がない。地方暮らしの時なんかわざわざ自転車を漕いで行ったのにサグカレーが選べるメニューがほとんどなく、唯一選べるメニューを頼んだらサイドメニューが山盛り来て死ぬかと思った。ちなみにそこのサグカレーも好みではなかった。サグカレーが食べたかっただけなのに、なぜか一人フードファイトをする始末。
今回のお店は店の外のメニューでサグカレーを確認しており、少ないコースでも頼めそうなのでおそらく大丈夫とみた。意を決して入店。インドカレー屋さん独特のゴチャゴチャした店内。謎のインド音楽。入った時も常連そうなマダムと楽しそうにしているカップルがそれぞれの席でカレーを食べていた。端の席に座ってメニューを見る。普通にカレー1種のセットかな、と思うがどうしても頭のイメージから2種類のカレーの銀小皿が乗ったものが離れない。セットメニューにも当たり前のように2種のものがあるので、カレーのメニューから一番オーソドックスそうなポークカレーを選んだのだった。選べる辛さはノーマルで。サラダとドリンクとナン付き。追加料金でチーズナンとかにできたけれど、カレーと一緒にチーズナンをどう食べればいいのかわからなくなったことがあるので、シンプルなナンにした。チーズナンは単体で食べたくない?
まずサラダが運ばれてきて、謎の赤いドレッシングがかかっている。インドカレー屋さんのサラダって大体赤いドレッシングかキューピーのゴマドレな気がする。赤いドレッシング、辛そうだけど辛くなくておいしい。一体何のドレッシングなんだ、、、、サラダと共に頼んだラッシーも来たけれど、ラッシーはカレーと飲みたいので我慢。

そして来た。

運ばれてきた途端思わず「ナンでっか」と呟いてしまう。皿から溢れんばかりのナン。そういえば久しぶりすぎて忘れてたけど、インドカレー屋さんのナンってめっちゃデカいっていうあるあるなんだった。手を拭いてナンを千切ろうとするが熱くてワタワタしてしまう。それでも頑張って千切ってサグカレーへダイブ。
あっこれ、おいし、、、、、
かなりいいお味。ポークカレーもちょうどよくて、お肉もしっかりしていておいしい。かなりハイペースにパクパクと食べてしまう。これはいい、このクオリティのインドカレー屋さんが近くにあるのシンプルに心が躍ってしまう。
ナンが大きすぎて余るんじゃないかと思っていたけれど、2種のカレーでぴったり完食だった。奇跡的なバランス。素晴らしい計算。まん丸のお腹である。
ご機嫌でお店を出て、澄んだ空を仰ぎながら帰る。家の近くなのでありがたい。家の周辺のご飯屋さん、もっと開拓していきたい。今回のはかなり大きい収穫だった。次は彼も連れてまた来よう。辛いの苦手だけど、辛さも選べることですし。