実家の玄関の横に、金木犀が生えている
物心ついた頃からずっとあって、その花が咲いていい匂いがすると、自分の誕生日が近いんだということを実感できた
そういう背景もあって、私は実家に生えている金木犀が好きだった
10月の誕生花だし、金木犀になんとなく愛着を抱いている私は今年その花の匂いの香水を購入した
今住んでいる家の近くにも金木犀が生えている
まぁ花が咲くまではそれが金木犀だとはわからなかったんですが、、、、
その花が咲いた時、実家の金木犀も今頃咲いているのかなぁとボンヤリ思った
その時期はそこそこな繁忙期で実家に帰れず、街中の金木犀が散った頃に帰った
珍しく姉が同じタイミングで帰省しており、先に家にいた姉が「そういえば今年金木犀咲いたの?」と母に尋ねた
「今年はお父さんが切りすぎたのか咲かなかったんだよねぇ」と母は答えた
父は毎年定期的に金木犀の剪定を行っているのだが、何せ素人なのでなかなか四苦八苦している様子
大体切りすぎてなんとなく寂しい木になってしまうのだが、それでも毎年きちんと少量ながらも花をつけていた
それが今年は咲かなかったという
姉も私も結構驚いた
「ひょっとしたら、引っ越しの計画を立てているのをなんとなく察しているのかもしれないね」と母はケラケラと笑っていた
またある時に、東北出身の友人が「東京の人が金木犀の匂いがする〜!っていうの、あれなんとなくで言ってるんだと思ってた」と告白してきた
いわく、東北には金木犀は生えていないのだという
花の形も匂いもボンヤリとしかわからないというので、花は検索して写真を見せ、うちに来たので近くに生えている木を見せ、うちにある香水を嗅いでもらった
それでも「ん〜なんか記憶を呼び起こしてるけど、、ん〜」とパッとしない様子だった
私は生まれてからずっと近くにあって慣れ親しんでいたけれど、存在すらしていない環境があって、イメージもわかないことがあるんだ、、、、
あと金木犀の匂いって好き嫌い分かれるらしいですね
香水つけるの控えようかな、、、いやでも私はめっちゃ好きだしな、、、、、
そんなことを思っている間に10月も終盤、季節はどんどん冬になってゆく
うちの実家の金木犀は来年は咲いてくれるのだろうか、そしてその時にはもう私の家族はその家に住んでいるのだろうか
もしかしたら、去年の金木犀が実家で見ることができた最後の花になってしまうかもしれない
もっとたのしんでおくべきだったな
とかいって、まぁなんだかんだ引っ越し計画は来年も持ち越すんじゃないかと思っている私です