私から私へ

 

実家の部屋を片付けるよう、母から連絡が入った。

毎度の引っ越す引っ越す詐欺(と勝手に呼んでいる)に加えて、ゴミ捨ての制度が変わってしまうらしい。それゆえに今月中にできれば来て整理して、と言われた。ちょうど姉と連絡を取っていたところだった上に、繁忙期の皺寄せでたまたま三連休だったので、姉と予定を合わせて帰省することができた。

 

とはいえ前日の仕事終わりが遅かったため、起床したのは正午ごろ。期限がギリギリの納豆を食べて、片付けてから準備をしたら家を出るのが14時過ぎになってしまった。ちょうどその頃姉は実家に着いたらしい。

私が実家の最寄りに着いたのは16時前。そのまま両親の買い物に付き合い、家に着いたのは17時とかだった。

姉はモリモリと整理をしていたらしい。姉の部屋は私の部屋と比べて結構、、、だったので、この帰省でどれくらい物が減るんだろうと思っていた。

 

夕飯前に少しやるか、と思って本棚の引き出しを開けたら "プリ帳" が出てきた。

プリ帳とは、プリクラを貼って保存してある、いわばシール帳なのだが。

プリ帳はやばい。まさに玉手箱だ。

小学生くらいの頃からプリクラを撮るのが流行っていたので、それこそ1ページ目はマジの児童時代の幼き私のオンパレード。落書きが終わってる。髪型もやばい。服のセンスもお下がりだらけで相当迷子。

ヒィ〜〜〜www と思いながらページをめくっていくと、中学生になった。

中学の部活の仲間はオシャレに命をかけていたので、オシャレに興味がなかった小学生の私のままではダメだった。「遊ぶ時いっつもおんなじ服着てない?w」と言われたりして、なにくそ〜〜!と色々頑張り始めたころ。とはいえ彼女らとはそんな感じだったのに、未だに仲良く関係が続いているのが不思議、、、、あと、卒業間際はかなり受験太りしたのでもうまんまるだった。ひどい。

高校生になると、大半は制服で写っていた。学校終わりとか行事終わりとかで撮りに行っていたので。高校に入りたての頃は落書きで "JK!" というワードばかり書いていて、見ているこっちが恥ずかしくなった。また、体育祭の関係で人生で最初で最後の金髪プリもあった。クソほど似合ってない。ピンク入れた後のプリも撮ればよかったな、、、、

大学に入ってからはもうページがなくなって、3年くらいからは貼らずに挟んでいるだけだった。大学ですら疎遠の人が多くて笑ってしまう。最後に撮ったのは今も仲良くしてくれてる2人が就活する直前に撮ったやつだった。院受験した私も前髪を伸ばして就活生に擬態していたので、みんな似たような髪をしていた。

 

おわかりだろうか。ここでかなり時間が飛んだのを。

今回私は思い出に浸りにきたわけではない。掃除をしにきたのだ。

ついうっかりプリ帳を開いてしまったばっかりに掃除あるあるを体現してしまった、、、

 

 

二日目、ちゃんと起きたので作業に取りかかる。二泊してもいいのだが、翌日夜に予定もあるし燃えるゴミも出してないので、タイムリミットはこの日の夜までだ。

今の私の部屋は父がリモートワークをするのに使っているので、勉強机は父のラップトップやらPCやらが置かれ、私がずっと置いていた本などは全て紙袋に入れられて部屋の隅に追いやられている。

紙袋は魔だ。うちの親は何かを片付けたい時、大体紙袋に入れてしまう。洗濯してもらってからすぐにタンスにしまわないと、よく紙袋に入れられた。

色々なものがごちゃごちゃに入った紙袋の中身をもう一度開いて整理するのが、なんだかとてもイヤだった。それゆえ紙袋に入れないでくれとよく母と喧嘩した。

今回もまた、様々なものが紙袋に入れられている。しかも本や辞書も入っているのでかなり重く、嘆きながら作業した。

本当に色々なものが入っていた。

教育実習の記録のファイルの中には、最終授業の資料や板書計画のノートが入っていた。先生が書く板書って、ちゃんと予め考えられたものなんだよ、知ってた?

あと生徒たちに書いてもらった授業の感想が山盛り3クラス分出てきた。結構総じて評判はいいのだが、たまにダメ出しされててヒィンゴメン、、、となる。懐かしい。

先生になる道も考えたし、たまに今も考える時もある。まぁ色々と自分の資質と向き合うとダメな点もあるので、他人の人生を担う職は向いてないかなって思ってやめた。教育実習はかなりいい思い出として残っているし、それでいいかな。

 

過去のそういった記録とか、書き込まれた資料とか、院生時代の授業と修論と就活に追われて病んでいる日記とか、色々と発掘された。

あの頃と比べると、今の私、あんまり頑張れてないかなぁ、、、と思ってしまう。

高校時代に「私、頑張っている自分が好きなんだなぁ」と実感したことがある。今の私、適当に力抜いて仕事とかしてるけど、自分のこと好きだって言える?

 

そんなことを考えつつも、手を動かす。

気に入っていた写真たてが、だいぶ古びている。その中で飾られていたお気に入りのポストカードを抜いて持って帰るか、と思って後ろを開けてみる。

 

すると、いつ書いたのかすらわからない、過去の自分からのメッセージが書いてあった。

 

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う、うるせ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!

 

 

 

ちなみに帰る前に部屋に入ってきた父に「これは道のり遥かに遠そうだな」と笑われた。

進捗、ダメです。