朝は優雅に

 

ここ数ヶ月、コーヒーを淹れるグッズを探していた。

年明けごろに友人の家に遊びに行った際、家主が「コーヒー飲む〜?」と言ってサラッと淹れてくれたコーヒーがすごく美味しかったというかなりシンプルな理由によるもので、とりあえずその場で豆を教えてもらっていたのだ。

それまでそんなに興味はなく、私より先に地方異動した同期が先輩にコーヒーミルをもらった、と聞いてもフーンという感じで流していた。そんな私だったが、あの日を発端に唐突にコーヒーを淹れて飲む生活に対して憧れが生まれた。

まずはドリッパーとサーバーを買うべきだよな、と思ってAmazonなどで片っ端から調べ、大体買うものを決めていた。ただそれらを置いておくスペースがキッチンが狭かったゆえにあまりなく、キッチン下の荒れ果てた収納を整理したら買おうと思いつつ数ヶ月経った。

荒れ果てた収納を整理する前に引っ越しになった。さすがに想像していない展開。でもこれはいいチャンス。キッチンも広くなるので買えるぞ。ついに。

 

引っ越して2週間くらいが経つ頃、ようやく家が片付いてきたのでまぁそろそろかなと思っていた頃。新しい職場のおじさん達はどこか優雅なところがあり、プレッサーを使ってコーヒーを淹れて休憩時間に飲んでいた。私にもお裾分けしてくれて、何となくコーヒーの淹れ方についての話題になった。話の流れ的に色々と詳しそうだったので、買う予定のものは決まっているけど何かオススメとかあるかな〜と思って、コーヒーグッズを探している旨を話した。

すると、先輩の一人が「3回くらいしか使ってないコーヒーメーカーを譲ろうか?」と言ってきた。え、コーヒーメーカー?一度も考えたことがなかった。マネージャーをやっていた時、公式戦などで他校の先生にコーヒーを出すのに使っていた以来、一度も触れたことがない。しかもそのコーヒーメーカーも、体育教官室にあったものを無理矢理持ってきていたものでかなり古いものだった。コーヒーメーカーと言われるとあの当時のものが思い出されるのだが、先輩曰く数年前に買ったそれなりにいいやつなんだそう。当時のやつは粉から淹れるものだったが、先輩が持っているものは豆からでもいけるらしい。あんまり先輩好みのものが淹れられなかったらしく、肥やしになっていたそうだ。「いやでもさすがに申し訳ないですよ〜〜」と笑っていた私をよそに、翌日即持ってきてくれた。さすがに冗談だと思っていた。ビックリ。

 

それがこちら。

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コーヒーミルをもらった同期の話もフーンと聞いていた私だったが、それよりもすごい物をいただいてしまった。初手から全自動。ウケる。そんなことある?本当にありがとうございます。

早速友人から教えてもらった豆を買い、ちょうど実家に帰省するタイミングだったので少しフィルターを拝借した。

夜に帰宅してセット。ドキドキしながらスイッチを押す。

すると。

ウィィィィ〜〜〜〜〜!!!と想像以上の音が出た。例えるならば黒板消しクリーナーの音。不意打ちだったので思わず距離をとってしまった。どうやら豆を砕いていた音のよう。音が落ち着いたので油断したら、もう一度鳴った。その後コーヒーが抽出され、下に受けていたマグカップに入っていく。

いい匂い。

ブザーが鳴って、抽出完了。一口飲んでみる。うわ!おいし!!あの時友人の家で飲んだものと同じような味がした。同じ豆だから当たり前かもしれませんが、、、、これはかなり満足。簡単だし。先輩にお礼を言わなきゃ。翌朝も時間があったので使ってみると、音が出ると知ってからならそんなに音も気にならなかった。

思い描いていたコーヒーを淹れる生活ではないけれど、初手から全自動になってしまったけれど、本当にありがたい。部屋の狭さゆえに諦めていたトースターも買ったので、朝トーストコーヒーが叶ってしまう。

まだ先輩にお礼を言えていないが、タイミングが合えば即言いたい。めちゃくちゃ美味しいです。本当にありがとうございます。