私はバナナのこと割と好きだけど、バナナはたぶん私のこと好きじゃない
私とバナナは相性が悪い
今「ばなな」と打とうとして2回連続で「びなな」と打つくらいには相性が良くない
バナナには過去に2回くらい泣かされてきた
こんなに果物に泣かされるのはなかなかない
正確には泣かされた、というより泣きたい気持ちにさせられた、だけど
そのうちの1回は小学生の頃の話で、チョコバナナが大好きだった私が、家にあるバナナを見てピーンときたことがきっかけだった
バナナの上に板チョコを乗せてレンジで温めれば、チョコバナナができるのではないか?
母がガーナチョコラバーなので、常に冷蔵庫にはガーナチョコが常備されている家だった
母に頼み込んで板チョコの欠片を5つくらいもらって、剥いたバナナの上に乗せ、レンジに入れた
時間は覚えていないが、たしかレンジの自動温め機能を使ったんだと思う
温め完了の音が鳴って、いそいそと開ける
その途端に鼻につく不思議な香り
そして湯気の中の異様な物体
遠赤外線で温めたことにより、バナナの中の水分という水分が外に染み出し、溶けたガーナチョコが混ざって汚いスープが出来ていて、萎んだバナナが真ん中に島を作っていた
どこからどう見ても、これはチョコバナナではない
いやいやでもこれは材料的にはチョコバナナだし!味はきっとチョコバナナだろうと思い、萎んだバナナを口に運んだ
マイナスな方向で筆舌に尽くし難い味がした
バナナの旨味成分は、すべて水分となって外に出てしまっていたのだ
せっかく母からもらったガーナチョコも台無しである
あまりのまずさに一口も食べることができず、そのまま泣く泣く処分した
それ以来、「バナナは少し温めると甘さが増します!」という裏技情報には懐疑的になってしまった
どうせ旨味成分が全部水になるんだよ、と未だにやさぐれた気持ちになってしまう
あの日見たバナナの水分を、先月久しぶりに目撃することとなった
普段買わないのに、なんとなく安かったから買ってみたバナナ
安かったのには理由があった
買って3日くらい、残り2本
そのうちの1本の上の方が、だいぶ柔らかくなっていた
気づいたのは夜だったので、明日食べようと思いその日は寝た
翌日、まさか身が裂けて強烈な匂いとともに水分が染み出すとは夢にも思っていなかった
大変なことになった
臭いし
匂いがとれなくて、ランチョンマットを捨てる羽目になった
バナナ、あんなに足が速いとは思ってなかったな、、、
こんなにバナナとは苦い思い出があるのに、私はやっぱりバナナが好きだ
好きな果物ランキングのトップ3には入る
バナナは私のこと、たぶん好きじゃないけど
バナナとの関係、どうやったら上を向くんだろうか
永久に謎のままである
きっとずっと、バナナとの距離感はこんな感じなのだろう
あと、マジカルバナナってなに?