青い反抗

 

ちょっと前、飲食のバイトをやめてネイルをするようになった頃のこと。

あまりにもすぐに禿げてしまうネイルに痺れを切らして解決策をTwitterで募ったら、高校の同級生(かわいい)が「トップコートだけ透明のジェルにするといいよ、初期費用はかかるけどオススメ!」と教えてくれた。

これが有意義なSNSの使い方かぁと感謝したけれど、当時はお金のない大学院生だったため一旦見送り、社会人になってからUVライトと透明のジェルネイルを買おうと心に決めた。

 

時は流れ昨年の春。

コロナ禍でリモート研修が続き、給料を手にするも使い道がない日々。

そんな鬱屈とした休日の気分転換が散歩だったわけで、足を伸ばした先の隣駅の駅ビルでついにUVライトとジェルネイルを購入した。

 

家に帰って意気揚々と開けると、クリアカラーを買ったつもりがなぜか青色を買っていた。

たぶん売り場がごちゃごちゃになっていたのだろう。少し言い訳をすると、ジェルネイルの瓶はすべて同じ色で(私が買ったシリーズのは白い瓶)、シールでしか中身の色が判断できないようになっている。だから気づかずにそのまま買ってしまったのだろう。

結局後日同じシリーズのクリアカラーを買い直し、楽しいネイルの日々が始まった。

 

 

のだが、あの日買った青色のジェルネイルは完全に放置されていた。

私には青色を使う勇気がなかった。

 

学生の頃から何か色のついた物を選ぶ時、ピンク色じゃないと落ち着かない性分だった。これに気づいたのは大学生になってからだった。

高校の頃、持ち物がピンクだらけのクラスメイトに「ピンク好きなんだね」と言ったら、「いや好きなわけじゃないんだけどなんか選んじゃうんだよね」と言われたことがあった。

当時はそんなことある?という感想を抱いたけれど、完全に私も同じ状況なことに後々気づいた。

 

そんなわけで、爪を塗るとなっても使う色はちょっと濃いピンクやくすんだピンク、いちごミルクのようなピンク、色んなピンクのラメが入ったものなど、バラエティ豊かに揃えられたピンクたち。

ちょっと勇気を出したところで、薄い紫や赤など、ピンクの親類のような色しか使わずに私の社会人ネイル元年は終了した。

 

 

私がネイルを塗る時は、決まって仕事以外で人と会う前だった。約束前の時間がある時や前日の夜にいそいそと塗っていた。

年が明けて、一人暮らしが始まって、時間ができて、色々なことも重なって少し心境に変化が起きた。

気分も凹んでいたし、自分を大切にする意味で、普段から塗ってみよう。新居にも一通りネイルセットは持ってきているんだし。

 

そう思って色を選ぼうとした時、一応持ってきていた青色が目に入った。

 

 

そうだ、今まで塗ったことない色を塗ってみよう。

 

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最初はやっぱり似合わないな〜と思ったり、目に入るたびにぎょっとしたりしたけれど、

案外青も悪くないなと思った。

青、いけるじゃん私。

 

深い海のかけらみたいな色の青。

指先につけたことのないような目の覚める青。

私のどんな持ち物にもないような青。

 

 

この青は、今までの私に対する反抗の第一歩かもしれない。

 

 

たぶんだけど、今後もこの青色のネイルカラーは使うことになると思う。

だって私、青もいけるもん。

 

2021年は始まったばかりで、今年は今までと違う年にしたい。

まずは青色も身に纏ってみるところから、自分をアップデートしてみます。