3つ目の季節へ

 

朝にシャッターを開けようと手をかざす。その際にシャッター越しに暖かい日差しを感じる日が増えてきた。晴れている日はアウターがなくてもいけそうだったので、厚めのカーディガンだけで外に出てみた。全然大丈夫だった。

少しずつ感じる春の気配に嬉しくなって、ここ最近機会がめっきり減っていた、バチバチのカラーアイメイクをしてみた。shu uemuraの鮮やかイエローとベリーピンクの2色を組み合わせたパレット。色の境目がオレンジっぽくなるので、遠目から見るとオレンジメイクだけどよく見ると2色!っていう組み合わせが好きだった。化粧をする時に思いつきでカラーメイクを施したため、その前に着替えていた服がかなり地味色で化粧がかなり浮いた。まぁいいでしょう。スーパーくらいしか出かける予定もないし。

こちらはそんな感じの陽気だったけれど、テレビをつけると関東では大雪の予報が出ていて驚いた。と同時に、生まれ育った関東の天気予報を他人事のように聞いている私にも少し驚く。引っ越したての頃は関東の天気も一緒にチェックしてたのにねぇ。とはいえ、実家の方はほとんど降らなかった様子。大雪予報の前日にバレンタインのチョコを送り、もう翌日には届いていたので交通機関とかの乱れもなさそうだ。郵送の手続きをする際に、感じのいい窓口のお姉さんに「バレンタインですか?私も親にちゃんと送らなきゃなぁ」と言われ、照れ隠しに「下心もちょっとありますけどね、お返しの、、」と呟いてしまった。ごめん父よ。そしてチョコは母との二人に宛てて送ったので、二人で食べてくれ。

今年は運動習慣をつけたいなぁと漠然と思っていて、暖かくなってきたここ数日は散歩に出かけたりしてみている。思いがけずいい感じの飲食店に出会ったり、犬に吠えられたり、野良猫の集会所を見つけたり、なかなか発見が多くて面白い。家の近所にローカルな本屋さんがあって、利用するようになったのはここ最近なのだけど広くて結構気に入った。地元にあった本屋さんを思い出す雰囲気で好きだったのだが、散歩の帰りに寄ったら月末で閉店の貼り紙がしてあった。文具コーナーはセールをしており、ほとんど棚があいてしまっていた。もっと早くから利用していればよかったなぁ。悲しくなって、買う予定のなかった本を買ってしまった。思い出としてカバーをつけてもらうつもりだったが、レジはワンオペだったし後ろに人が並んでいたので「そのままでいいです」と言ってしまった。お店がなくなる前に一回くらいカバーをかけてもらおうと思う。

そうかぁ、潰れちゃうんだなぁと思いながら店を出てボンヤリ歩く。近くに大きめの空き地がある。最近知ったのだが、ここにしっかりとした観光用の商業施設が建つ予定らしい。今はまだ工場のフェンスなどは立てられていないけど、きっと近いうちに囲われるのだろう。完成予定は、私がギリギリこの地に留まっているか否かくらいの時期だった。こういうパターンは間に合わないやつな気がする。私って間が悪いというか、結構そういう感じの人間なので。いる間にできてくれたら嬉しいけどね。

こっちにきて半年。3つ目の季節に変わろうとしている。すでに半年で初めて見た景色から、街も変わりつつある。私もここにいる間に、何か変われるかなぁ。変われるといいなぁ。外では夜の雨が降っている。まだ夜は少し寒い。もう一回くらい寒くなったら、その後はきっと、春に向かって一直線なのだろう。