みんなそれぞれ好きなものってあるじゃん。程度とかの差はあるけど、きっとあると思う。なかったらごめんだけど。
SUPER BEAVERってバンドの曲で『秘密』って歌があるんだけど、私が今回言いたいのはその曲とほとんど同じようなことなので、ブログを長々と読むのがめんどい人はiTunesなりなんなりで検索してみてください。Music Boxはやめといてね。
まぁ私の好きなものは言わずと知れてますよね。あの素晴らしきモノクロカラー、神に愛されし造形、争いを好まぬ性格、そう、ジャイアントパンダ。
でも、今でこそパンダ好きでおなじみの私だけれど、実はパンダを封印していた時期がある。23年間パンダが好きとかいってごめんなさい。ちょっと間が空く、というか意図的に空けた時期があるんだよ、、、
それは多感な中学生の頃。
中学に入りたての私は、部活の友達とお揃いのものを買おうとかいうその年代にはありがちな友達アピールに合わせて、大中っていう雑貨屋さんで数人と色々物色してた。
大中っていう雑貨屋さんは知ってる人は知ってると思う。解説すると、中国をコンセプトに据えた雑貨屋で、普通のキャラものとかを置きつつも怪しげな中華風の雑貨とか、毛沢東のTシャツとか色々置いてたのよ。まぁ中国といえばもちろんパンダも名物な訳で、パンダグッズも結構豊富に取り揃えてた。
その中の一つにパンダがヒーロースーツを着てるシリーズグッズがあって、私は小学生の頃からずっとそれのピンクヒーローの大きめなラバストがほしかった。
たまたまその日、それがあったのね。
「あ!あるじゃん!買える値段だし買おうかな、、?」って手に取ってみてたんだけど
ちょうどそんな私をそのグループの中でもオシャレな子が見てて、笑いながら一言言ったんですよ。
「まだパンダ好きなの?子供っぽくない?もうパンダはいい加減卒業!!」
小学校も同じだった彼女とは中学に入るまで完全にグループは別だったんだけど、まぁ私のパンダ好きは知ってたんだろうね。そんでオシャレで流行を追いかけるタイプだったから、いつまでも同じもの、しかも動物モチーフが好きな私をダサいと思ったんだろうね。だから何の気なしにその言葉が出たんだと思う。
でもこの一言は結構私の中に刺さって。
ずっと呪いみたいに残って。
「あ、パンダって子供っぽいんだ」って。
「子供っぽくなるのは、恥ずかしいな」って。
そのラバストはもちろん買えなかった。
そこからの中学三年間はパンダを封印した。
パンダのイラストは1人の時によく描いてたけど、グッズは増やさなかった。
だって「子供っぽい」にはなりたくなかったから。
そのまま中学は卒業した。
高校に入った時も、最初の自己紹介でパンダが好きとは一言も言わなかった。
でも他の人の自己紹介にビックリした。
みんな好きなものを堂々と生き生きと面白おかしく語るから。「これが好きです!」ってアピールするから。好きな小説の一節とか、好きなバンドのどこが好きか、色々。
それをみて、あーここなら言っても大丈夫かもしれないなーって。
だから、夏くらいの英語のスピーチ発表でパンダが物心ついた頃から好きで、パンダになりたいとさえ思ってたことを思い切って話した。
そしたらみんな笑ってくれてさ。
誰も馬鹿にする人なんていなくて。
休みの日に「上野動物園にパンダみにいこう!」って誘ってくれる子さえいて。
好きなものをオープンに言えることが嬉しかった。
パンダのマスコットをカバンにつけてても、「あっかわいいね!」って言われる環境が気持ちよかった。
そこからパンダが好きなことは恥ずかしくないんだって思った。自信がついて、大学に入っても自己紹介では必ずパンダが好きです!って言うようになった。
そしたら、一つめちゃくちゃ好きなものがあると、それがアイデンティティにさえなるんだなって気づいた。
それって割とすごいことじゃない?
他の人がパンダを見かけるだけで、そういやパンダめっちゃ好きなやついたなって思い出してもらえるんだよ?最高じゃん?
好きなものを好きって言える環境って実際恵まれてると思う。多分もしあの環境に巡りあっててなかったら未だに隠してたんじゃないかな。
だからほんとに高校の環境には感謝してる。
何が言いたいかっていうと、それぞれの好きなものとか好きなことは、何があっても自分の価値観でとやかく言うべきではないということ。案外何気なく発した言葉でも、言われた人は好きなものに対して自信を失わせることがあるということ。
これは、ほんとに思うし私もちゃんと意識しておかないといけないことだと思う。私も今までに無意識のうちに傷つけた人がいるかもしれない。それはごめんなさい。
みんなが好きなものは好きって言えるようになれたらいいよね。
そんな感じです。
あ、ちなみにそのピンクのヒーローパンダは大中というブランド自体がなくなってしまったので二度と手に入らないんじゃないかなと思うけど、未だに思い出します。欲しかったな。
あと誤解しないでほしいんだけど、あのオシャレな子とは後々過ごす時間が増えるにつれて一緒にいるのが楽しくなって、未だに仲は続いてます。だからその発言に対して恨みを持ってるわけでもないです。ただあんなことあったな〜っていう回顧録。
終わり。