縁の色をした緑

 

バジルを植えた。

約6年ぶり2回目だ。

 

前回は仲の良かったサークルの後輩たちが、合宿担当幹部だった私の仕事が一通り終了したのを労ってプレゼントしてくれたものだった。

当時はInstagramに定期的に写真をあげており、植えた報告を後輩に届けるためにも成長記録を投稿したりしていた。

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最初はパンダの舌から水を吸い上げる方式のものだったけれど、成長するにしたがって鉢に植え替え、定期的にマルゲリータジェノベーゼなど手の込んだ料理や簡単なサラダに入れたりなど、栽培を楽しんでいた。

バジルを育てたことのある人はみんな言う。

「成長がマジで早くて大変」だと。

教育実習期間の忙しくしている時もバジルはお構いなくグングンと伸び、蕾をつけた。花が開くと葉が硬くなるらしく、収穫には向かなくなるのだそう。かわいそうに思いつつも、蕾を摘むしかなかった。

卒論に追われる最中、バジルはとんでもないスピードで成長し続けており、気づけば収穫ペースが追いつかず枯れてしまっていた。これはせっかくプレゼントしてくれた後輩にも申し訳なくて言っていないこと。

 

あれからだいぶ時が流れて、あの後輩たちともだいぶ疎遠になってしまった。うち一人なんて、どこで何をしているのかもわからない。大人になっていくって、そういうものなのかなぁ、、ともう完全に大人としての道を歩いているのに未だに思ってしまう。

 

バジルを育てていたことがだいぶ過去の出来事になってしまっていた先日、高校からの友人が引っ越しの餞別にバジル栽培キットをくれた。どうやら当時のInstagramの内容を覚えていたらしく、「前バジル育ててたよね?向こうでもまた育ててね」とのこと。バジルを一生懸命育てていたことが蘇り、かなり懐かしく感じた。

 

こちらでの生活が落ち着き、その日は綺麗に晴れていた。突発的に、今日もらったバジルを植えるか、と思い立った。説明書を見ながら注意深く丁寧に手順を進める。前回のバジルを植えた時のことを全く覚えていなかったので、かなり辿々しい。前もこんなんだったかな?

今回もらった栽培キットは卵の形をしたもので、上だけ殻を割ると中に土が入っている。その上にタネを撒くのだ。こっちに来てから初めて出会ったヴィレヴァンで、『人気!!』のポップアップとともに売られているのを見かけた。どうやら人気らしい。部屋の隅の窓に囲まれた角に置くことにした。

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せっかくなので最近やっと作ったモルカー(シロモ)と共に撮影。ちなみに目のビーズが大きすぎたので後に一回り小さいものに付け替えた。アジアンなオシャレ受け皿は、バジルと共に友人がプレゼントしてくれたものだ。

ちゃんと育てられるだろうかと懸念しながら、ニトリで買った霧吹きをシュッシュする。芽が出るまでは土を常時湿らせておかねばならないと説明書に書いてあったのだが、思いの外土がしょっちゅう乾いてしまい焦った。これはひょっとしたら生えてこないかもしれないな、、、と思った矢先

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今日くっきりと双葉が立ち上がった。よく見ると、3つ双葉が生えた横で、2つ生えかかっている。

これは、私、ちゃんと育てられるのか、、、、?

 

一抹の不安を抱えながら、ボンヤリと前のバジルをくれた後輩たちのことを思い出す。いい子達だったので、今も元気にしてるといいなぁ。地方に来てしまったので、久しぶりに会おう!とかの連絡もできないことは少し歯痒い。

 

小さな双葉たちは可愛らしく、すでに愛着が生まれつつある。

バジル三昧の食生活も、そう遠くはないかもしれない。