飴と記憶とミステリー

 

先輩がバレンタインはお菓子を買って配ると言うので、新入社員の私もそれに倣い、そこそこな枚数が入った渦巻きパイを買って配った

 

そうやって久しぶりにバレンタインをして、全員からではないけれどありがたいことにホワイトデーにお返しもいただいた

 

お返しをくれた先輩の中に、papabubbleのキャンディをくれた人がいた

papabubbleとは、日本風?にいえば金太郎飴を売っているお店で、小さいキャンディをたくさん袋詰めにしているのをよく見る

しかし、店舗自体は少なくなってきているようで、先輩いわく「この店お気に入りだったのに渋谷の店なくなってたから取り寄せたんだよ〜」だそうだ

そんなありがたいpapabubbleのキャンディ、私がいただいたのはフルーツの絵が一個ずつ描いてあるアソートだった

結構な個数入っているのに、一つずつ絵に対応して味がしっかりと異なっていて美味しい

油断すると一袋ペロッと食べてしまいそうだった

桃味の比率が高かったのは気になったけれど、定番のイチゴやブドウ、オレンジなどの定番フレーバーからパッションフルーツやライムなど、変わった味も多くて味を選ぶのも楽しい

 

その中でひとつ、気になる絵の飴があった

 

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これ、なんだろう

袋の中に3つ入っているこの絵の飴

林檎かと思ったけれど、他に確実に林檎だろうという絵の飴があった

 

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こっち向きで見るとわかるかと思ったけれど、花っぽくなってしまってわからない

 

ひとつ食べてみる

知ってる味だ、けれど、なんのフルーツかわからない

知ってる、知ってるのに

 

2つ目を食べてみる

わからない

 

 

めちゃめちゃモヤモヤして、3つ目はとっておくことにした

調べたら多分わかるのだろうが、なんとなく自力でわかりたかったのだ

 

 

その数日後、まだ飴は食べずにとっておいてあった

その時私は始業準備をしていて、特に何も考えずボンヤリ手を動かしていた

 

唐突に

 

なぜかわからないけれど

 

 

 

あ〜なんかマンゴー味のやつ食べたいな

 

と思った

普段は滅多に思わないし、マンゴーを進んで選ぶことも少ないのに

 

それと同時に

 

なんか最近マンゴー味のもの食べたよな〜

なんだっけな〜〜〜

 

と思い、少し考えてから

 

 

あ、あの飴、マンゴー味か

 

 

 

と謎のプロセスを経て答えが出た

 

 

頭のどこかであの飴がマンゴー味だってことを私はわかっていたのだろうか

全くわからないのに、唐突にマンゴー味の記憶が振ってきて、連鎖的に思い出した

不思議な感覚がして、思わずニヤついてしまった

マスクをしていてよかったなと思う

 

 

香りは記憶と密接に関わっているとはよく聞く話だけど、味っていうのはどうなんだろう

そもそもマンゴー味を思い出したのは味そのものの記憶だしなあ、、、と考えたが

 

いや、あの絵でマンゴーはむずすぎだろ、、、、と思いながらあの絵の飴を口に入れた

 

確実にマンゴー味だった

 

 

 

 

あの絵を見て一発でマンゴーだとわかった人は教えてください