トアルハレノヒ

 

日曜に会った友人が「明日から仕事だけど水曜日休みだから頑張れる」とつぶやいた

ああそうか、確かに今週の水曜日はカレンダーの文字が赤かった

 

祝日の概念は今の職場にはないけれど、一応休日出勤扱いにはなる

友人にそう伝えると、そこまでブラックな職場ではないと思ったのか少し安心したような顔をしていた

 

 

その日の朝、犯罪評論家のような人が電車内の事件への対策として「電車の中でイヤホンをして音楽を聴かない」とテレビで言っていたけれど、その後番組で流れていた椎名林檎の『罪と罰』がどうしても出勤中に聴きたくなってカバンを漁った

 

そのままの流れで大好きなBUMPが最近出した新曲を聴きながら駅を出ると、小さい女の子が七五三の格好をしていて、ちょうどお母さんがしゃがんで何かを直してあげていた

可愛いものが見れたと思って顔をあげると、空がスッキリと晴れていた

 

その日の日付は、過去の統計的に東京がよく晴れる日らしい

これも出勤前にみたテレビで言っていた

数日寒い日が続いていたけれど、この綺麗な晴れのおかげでぽかぽかとしていた

 

晴れの日に聴くと気持ちの良い曲というプレイリストが私の中にある

東京事変の『透明人間』とかジュディマリの『over drive』とかが挙げられるけど、最近その中にBUMPの『なないろ』が仲間入りした

まさか彼らが朝ドラの曲をやるなんて、聴き始めた中3の頃の私には信じられなかったと思う

今の私でさえとても驚いた

でも、初回放送の日に初めて世界に流れたその曲は思った以上にちゃんと「朝ドラの曲」になっていて、それと同時に彼ららしい曲でもあった

発表された際のインタビューで制作陣のドラマに込めたメッセージに共鳴してオファーを引き受けたと言っていたが、みているうちにその意味がよくわかった

ドラマ内のかなり重要な、核となるセリフを思うたび、私は彼らの『真っ赤な空を見ただろうか』という曲の冒頭を思い出さずにはいられない

他人の痛みとか辛さとか、そういったものに寄り添おうとする姿勢が、ドラマと彼らは似ているなと思った

「ああ、だから引き受けたんだな」と思った時には、もうすでにそのドラマが大好きになっていた

と同時に、今年色々とあった彼らに対してなかなかうまく言葉にできない感情を抱いていたけれど、彼らの伝えたい想いは変わっていないんだなと実感して安心した

 

毎日録画にも関わらず早送りせずに聴いたその曲の、明るい爽やかなメロディを聴きながら通勤路の並木道を歩く

すると、青い空に街路樹の細かい木の葉がヒラヒラと舞っているのに気づいた

今まで毎日通っていた道なのに気づかなかった光景

とても綺麗だなと思って、なんとなくこの感覚を忘れたくないな、と感じた

 

ふとした瞬間に自然の光景がとても綺麗に感じる時がある

雨の日の水溜りに雫の波紋が広がっているところとか、シンプルな晴れ渡った空のどんなマニキュアでも表せない青色とか

そういうのに気づくのは、大体心が落ち着いて余裕がある時だ

ああ私今、結構心穏やかに過ごせてるんだなあ

と思っていると職場に着いた

 

 

スマホばっかりじゃなくて色んなものに目を向けていきたいね

心を豊かに、穏やかに