鬼を笑かせ

 

今年も、来年の手帳を買った

 

手帳を持つようになったのは高校3年の受験前だった

願書の期限とか試験日とか、色々と整理するためにというのは半ば建前で、ただ単に、図案のスケッチブックとスヌーピーのコラボ手帳が可愛かったから!というのが本当の理由だったりした

 

でもそれから、大学に入ってからは毎年買うようになった

 

予定を手帳に書き入れていくのが楽しい

楽しみな予定を手帳に記入すると、もっと楽しみになる

気の進まない予定も、書くとなんとなく肩の重みが減る

手帳を日記のように使うタイプの人間ではなくても、それだけで買う価値はあるなと思っている

 

友人が手帳に、私と会う日の日付のコマいっぱいに私の名前を飾り文字で書いて、パンダのイラストを添えてデコレーションしているのを見た時はなんだかとっても嬉しくて照れ臭かったことを思い出す

同時にとっても可愛いなと思ったので、それ以来私もすごく楽しみな予定の日付はデコレーションするようになった

そうすると手帳を開くたびにニッコリできる

日付が近づくにつれてどんどん楽しみになって、ウキウキで当日を迎えられるのだ

 

これは自分でも理由は特にないのだが、消えないペンで描くのが好き

予定が変更になることもあるので、そういうことを考えると絶対にシャーペンとかフリクションとかで書いた方がいいのはわかっているのだが、どうしてもしっくりこない

また別の友人が「手帳は茶色のパイロットで書いてる」といって見せてもらってから、私も同じように書くようになった

黒よりも柔らかい感じがしてちょっと可愛い

 

あと、メーカーにもこだわりがあった

LACONICというところの手帳がとても使いやすい

大学2年くらいの頃に少し奮発をして買ってみて感動してから、ずっとここのを使っている

シンプルなデザインで、装飾とかもない手帳だけれど、文字の雰囲気とかページレイアウトとか気に入ったポイントが多い

毎年同じようなデザインのものをしばらく使っていた

 

「手帳を買って、予定を書く」

それだけの行為に、なんとなく特別感を見出していた

これだけデジタル化が進んだ中でも私は紙の手帳を持ち続けているのは、そんな理由からだった

 

 

そんな私だったが、コロナになってから手帳をあまり使っていない

コロナが流行り始めて予定がガッタガタになったあの頃、書いては予定がズレて書き直し、またズレては書き直し、そして結局中止になり、、、と何回もしているうちになんだか嫌になってしまった

ホワイトテープだらけの手帳を開くのが億劫になって、次第に触らなくなった

予定を入れることに対して眉を顰められていたご時世、使う機会もほとんどなかった

2020年の手帳は、ホワイトテープだらけの春から特に予定を入れられることもなく役目を終えた

 

それでも、2021年の手帳は買った

LACONICの紺色の手帳

今年は引っ越しなどで家具の手配があったので、去年よりも使う機会は多かった

けれど、空白の2020年の残響のせいか、なかなか手帳を開く機会も少なく、予定が入っていても手帳には書かないことが多かった

あまり使われないまま、2021年の手帳も眠りにつきそうになっている

 

 

2年連続であまり使わなかったし、今年は買わなくてもいいかな、と思ったのだけど

 

手帳を売り始めた雑貨屋を見ると、なんとなく吸い込まれてしまう私がいた

でもそこの売り場はLACONICの手帳を置いていなかった

しょうがない、と引き換えそうとした時にふと目に入った絶妙な色のピンク

 

使ったことのない大手メーカーのtorincoという手帳で、色々なタイプがでている

そのピンク色の手帳は、日曜始まりのカレンダーに慣れた私にピッタリで、中身も今まで使っていたLACONICに近い仕様だった

 

来年は

今まで使っていたものをやめて、こっちにしてみよう

 

こういう経緯で

今年も、来年の手帳を買った

 

来年は、今までとは違う手帳

この手帳にはいっぱい予定を書き込もう

たくさん楽しい予定を立てよう

「来年のことを言えば鬼が笑う」というけれど、来年は今までとは違う一年になるといいなぁ

 

 

そんなことを思いながら一番最初に書いた予定は、資格試験の受験日だった

勉強しなければ、、、、、、、、