穴から見た一年

 

ゴム手袋の穴が空いている、たぶん

守られているはずの左手の中指の先が、洗い物をするたびにしっとり濡れる

これじゃあゴム手袋の意味をなしていない

どこに穴が空いているんだ、、、?と思って中指の先を見つめてみても、真っ黒のものを使っているためまるでわからない

もしこれが自転車のタイヤならば、どこがパンクしているのかチェックするために水に沈めて気泡を探したりできるのかもしれないが、これはゴム手袋 空気をまるで溜められない

 

一人暮らしを始めてから、片手のゴム手袋ばかりダメにしてきた

片手に穴が空くと一気にゴム手袋の扱いが雑になる

もう片方にも穴が空けば、そこでやっと捨てる気になれるからだ

すぐにもう片方に穴が空いてくれればこっちのものだが、なかなか空かないとだんだん穴が空いている方の手が荒れてくる

その時点で私の負け、新しいゴム手袋を買ってしまう

色々と試行錯誤をして、黒くて少し大きめのなら穴が空きづらいのか?とたどり着いたのだがこのザマだ

 

ままならない

ままならない人生、、、、、

 

この一年、特にままならなかった

もう本当にままならない一年だった

シンプルに結構つらいことが多かった

色々な渦中にいる時はあんまり思っていなかったけれど、振り返ってみたらいやしんどい一年だったな?!と実感した

こんな一年はなかなかなかったかもしれない

 

やっと年末だ

やっと終わる、、、という気持ちすら湧いているのが少し可笑しい

 

 

一人暮らしを始めた年だった

料理に少し目覚めた年だった

自国開催のオリンピックがあった年だった

初めて職場で後輩ができた年だった

初めて同期が異動した年だった

ずっと悩んでたアトピーが改善した年だった

スキンケアを頑張り始めた年だった

朝ドラにハマった年だった

なんかちょっと痩せた年だった

友達が結婚し始めた年だった

 

 

一人暮らしを始めた、というのは結構人生史にも残る大きなイベントだったかもしれない

それ自体はとても良かった、一人暮らしは最高

それでも総合するとあまりプラスな年ではない

タイムマシンがあってもこの年には戻りたくない

 

 

2022年にはすでに楽しみなイベントが幾つかあって、新しい手帳に意気揚々と書き込んである

今日が終わればあと4日の辛抱だ

 

来年はもう少しままなってほしい

そう願わずにはいられない

あと4日、、、、

 

 

 

洗い物をするゴム手袋の中の中指がしっとりと濡れる

濡れたゴム手袋の中指の先を見つめる

穴はわからない

実家で使ってたゴム手袋はこんなにすぐ穴空かなかったのにな、、と思いながら気づく

 

 

実家のやつは100均のじゃなくて300均のだわ

 

 

 

200円の差額に強度の差が出るのかは定かではないけれど、来年は300均のゴム手袋を使おうと思った