轍の途中

 

年の瀬が近づくにつれて、なんとはなしに手帳の去年書いたやりたいことリストを開いては項目を確認して閉じる、、というのを繰り返している。繰り返しているだけなので、チェックが増えることはほとんどない。それでもなんとなく開いてしまう。

年に一度の大イベントであるM-1グランプリは来週に控えているが、今年はもうすでに一年の締めくくり感がすごい。もう年末な心意気だ。とはいえ今年のM-1もかなり楽しみではあるが。この話はし始めると完全に止まらなくなるのでここでは避けておく。

去年のやりたいことリストのチェックボックスが埋まった項目の中で、一番これは大きい変化だと感じるのは「運転を克服する」という項目だろう。地方異動してからとりあえずペーパードライバー講習に数回通い、チャリで10分ほどの距離にあるカーシェアを数回利用し、悩みに悩んだ結果中古車を購入した。納車したのは先月だ。いまだにおっかなびっくりではあるが、だいぶ運転には慣れてきたと思う。車を買ったおかげで、少し遠い安いスーパーにも通えるようになった。苦手意識しかなかった駐車も、なんだかんだ頑張っている。納車してから少なくとも週一で乗っているので、これは克服したと言えると思う。やっとペーパードライバー脱却だ。感慨深い。

というか、まさか自分が "マイカー" を持つことになるとは思ってなかった。将来的に結婚したり子供ができたりしたら、実家のようにファミリーカーは持つだろうなとは思っていたけれど。この車は、完全に私個人の所有している車だ。my own carである。ベランダで駐車場が上から覗けるのだが、私の車が止まっているのに未だに慣れない。あれが私の車、、、、?!って毎回なる。

ちなみに買ったのは10年前の軽自動車だ。10年前。10年前か〜〜、何にでもなれると思ってた無敵JKの頃だな〜〜〜とかどうしても思ってしまう。とはいえ最近やっと、JKに戻りてえ、、とあまり思わなくなった。たぶん経てきた人生の岐路が重なってきたからだと思う。大学生の頃、教職の大好きだった先生が「僕はもう過去には戻りたくないですねぇ、やり直すのがしんどいので、、」と言っていたのを思い出す。当時は、いや完全にJKに戻りたいが?と思っていたけれど。大人になったってことなのかなぁ。あの頃は自分なりに必死で、人間関係とか頑張ってたけどめちゃくちゃな部分もあって、思い返しては「今ならもっとうまくやれるのに、、」と思ったりしていたけれど、そういうのもひっくるめて多分今の私なんだろうなぁと考えたり考えなかったり。まぁかなり楽しかったんだけどね。ようやくいい思い出として処理できるようになってきた。

ところで、車を買うにあたって自動車保険に入らねばならなくて。保険って、心配をお金を出して安心に変える制度じゃないですか。まぁその安心っていうのも保障って名前のお金なんですが。そうなってくるとやっぱり自分が事故で死んだら〜とかの話も出てきて、これから先のもしもの話ばっかり。やっと過去のことを思い出として処理できるようになったのに、今度は未来の話ね。保険のことを考える時も毎回「大人になったなぁ」って思うんですが、結局よくわかんなくて代理店の人に流されるまま、、て感じになってしまった。

というか、一寸先すら見えないのに未来の自分のため、、とは、、、と思った私の頭の片隅を、高校受験に悩んでいたもっと過去の私が通りかかる。塾の講師に志望校が決められないことを話すと、大学の進学実績はこうで〜とか言われて、いや高校すら決められてないのに大学の話する?!?と頭の中がクエスチョンマークだらけになったあの日の私。そんな出来事をフィクションを交えて現国の課題の短編小説として書き上げたら、かなり褒められて嬉しくなった高校生の私。あの頃と同じようなことに悩んで、結局そのことを文章に書いている今の私、、、、、、

やってることまるで変わってないな。やっぱり私、大人になった!とか思っても中身は変わってないんだろうな。きっとこんな感じで、これからも歳を重ねていくんだろうな。「大人になった」というよりも「大人になるということがわかってきた」のかもしれない。

めっちゃ一年が終わる感だしたけれど、まだあと二週間以上あるし。年末には長めに帰省するけど、その直前に今年を締めくくるような怒涛のドデカ任務祭りだし。まだまだ2022年、しまってこ〜、、、、