ひとりでできること数歌

 

夜、洗い物をして、明日のお弁当のご飯を仕込んだり、朝捨てるゴミをまとめたり。そういうことをしていると、ふと「ああ、なんか生活をしているなぁ」と思う。こんな一連の流れが私にとっての "ナイトルーティン" と呼ばれてしまうのかな、と考えるとあまりにも所帯染みていて嫌なのだけど、それでもルーティンであることは変わらない。でも、そんなオシャレな横文字よりも "生活" という小学生でも書ける漢字2文字がとてもしっくりくる。最近何故かテレビをつけている時間がグッと減り、静寂の中でお米を研ぐ音などが部屋に響く。

一人暮らし歴がさほど長いわけではないけれど、それなりに一人である程度のことはできるようになった。今では車も運転できる。自分自身が運転する車で自分の好きなところに行けるのは、何か色々なしがらみから解放されたような、自分の可能性って割とまだまだ無限にあるのかもと思えるような、清々しく壮大な気持ちになる。ドラマの『凪のお暇』で、冒頭では何も決められなかった主人公が最後の方に免許をとって運転するシーンが象徴的に描かれていたのを、そういう気持ちになる度に思い出す。車ってやっぱりステレオタイプ的には男の持ち物として描かれがちだけど、誰にとっても自由をもたらすアイテムなのかもしれないね。まぁたぶん次の転勤ではきっと手放してしまうのだけど。それまで色んなところにお供していってほしい。

という感じでまぁ色々とあるけれど、一人でできるようになったある程度のことの7割ほどは料理が占めている。苦手だった玉ねぎのみじん切りも普通にやっているし、野菜を切るスピードもだいぶ上がった気がする。ただ、何故かどうしてもレシピを覚えられない。先輩が何かのレシピの調味料の割合をスラスラスラ〜っと口頭で言った時に、シンプルにこの人すげえなと感動した。それほどまでにレシピというより、数字を覚えられない。お弁当用によくレンコンのきんぴらを作るのだが、数えきれないほど作ったのに未だにレシピをみている。作った後は覚えてるんだけどねぇ、しばらくすると忘れんだよね。なんでかな。

そういう時に役に立つのが、高校生の時に作ったレシピノートだ。一人でバレンタインのトリュフを作るようになった時、母に「自分のノートに写しなさい」と言われて半ばめんどくさがりながら作ったノート。なので1ページ目のメニューは秘伝のトリュフだし、そこからしばらくはバレンタインで作ったメニューが写されているのでお菓子ばかり。ご飯系が記録されているのは少しめくったところから。一人暮らしを始める直前の頃だ。1品目はギョーザ。私は母のギョーザが一番おいしいと思ってるので、一番にレシピを教わって書いた。そこからはほとんどご飯系ばかり。とりあえず気になったものは一度作ってみて、また作りたいなと思ったら記録するようにしている。なので割とハズレはないはず。ノートを作ってからずっとページの片面にしか書いてなかったが、ここ最近になってページがなくなったため、今まで書いたレシピの裏のページにも書き始めたところ。

ノートに写すのめんどくさいなぁ、と最初は思っていたのだけれど、これがかなり便利だった。何回も作っているレシピでも、どこに載っているものだったのか本当にわからなくなるのだ。誰のどの本に載っていたか、どのページか、いちいち本を出してくるのもめんどくさいし、料理サイトを再び漁るのなんて本当にやりたくない。タブを残しておくといつの間にかすごい量になっていたりするし。そういうものを一冊にまとめてしまうとかなり楽。いや〜母よ、、あの時めんどくさがってごめんね、、、ありがとうね、、、、そしてめんどくささをより軽減するために表紙の裏に簡単に目次を書いている。これも割と使えるのでオススメ。

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(目次はこんな感じ、ノープランのスペース配分)

 

数字が覚えられない私でも、このノートがあれば何とかなる。それに、ページが増えていくごとにレパートリーが増えていくのを実感できてちょっと優越感を得られる。ノートに書いてあるレシピはどれも気に入ったものばかりなので、ちょっと見返して久しぶりにこれ作ろう〜とか思えるので良い。

ただ、高校生の時に作ったノートなので。

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表紙がダサい筆記体。一度ピリオドをうってるのに、なぜかBookを付け足しているのもダサい。極め付けは、綴りが違う。sじゃなくてcだろ。なぁ。

この表紙だけは、本当に、取り替えたい。