怪我の経験値

怪我がそこそこ多い人生を送ってきた。スポーツを積極的にするタイプではないけれど、それなりに怪我はしてきた気がする。
幼稚園卒園直前、回る遊具に足を取られて顔から転び、あごにカサブタを作って卒園式にでたこと。
午後に授業参観日がある昼休みに校庭のど真ん中で大袈裟に転び、参観に来た母が私の膝の大きなガーゼにかなり驚いていたこと。
ドッジボールでクラスのガキ大将のバウンドボールを取り損なって突き指をし、その日のプールを見学したいと担任に申し出たものの受け入れられず渋々参加して、その放課後に病院に行ったら突き指ではなく骨折だったこと。
今これを打ちながら、怪我エピソードがどんどん溢れてくる現状に自分でも引いている。
運動神経が決していいわけではないけれど、死ぬほど悪いってわけでもないと思う。でもなんか、たぶんどこか鈍臭いのかもしれない。

特に、大学生くらいの頃から3年に1回くらいのペースで足のトラブルに苛まれている。
大学2年の冬、スキーに行って山の上の方で盛大に転び、靴のサイズが合ってなかったのも相まって足首と膝を捻り、スノーモービルで下山。
大学院修士1年の秋、朝の番組でハマりかけていたアイドルグループが新曲を初披露するとのことで、飛び起きて駆け降りた階段の中腹くらいで踏み外し、足の薬指を骨折(むしろ器用では?)。
社会人1年目の秋、中学の同級生と久しぶりに飲んだ帰りの家の駐輪場の段差から落ちて捻挫。
あまりに足を定期的に怪我するので、初めて一人暮らしをする際、母に「整形外科が近くにあるとこらにしな」と言われるほどだった。
とはいえ東京の一人暮らし期間では、せっかく目星をつけておいた整形外科に通うことはなかった。
ここ最近は足の怪我してないなぁ、ジンクス脱却できたなぁ、と思っていた。

完全にフラグでしかなかった。

この9月の連休、友人の結婚式があるので帰省し、他にも予定を詰めた。久しぶりに遊園地に行って、久しぶりにジェットコースターに乗って、なんか足フワフワする〜!とか言いつつお茶を飲みながら階段を降りていた。普通に階段を降りていた。普通に階段を降りていて、最後の一段を降りるときに景色が下に大きくブレた。
気づいたら踊り場にへたり込んでいた、右の足首が痛い。
靴は歩きやすいスニーカーだったし、お茶を飲みながらといってもその時は飲み終わってフタをして片手に持っていただけだったし、普通に階段を降りていただけ。それなのに何故か、着地に失敗した。それもたぶん。本当になんで?
正直その時右の足首やったかな、と思ったけれど割と歩けたし、少し経てば痛みもなく普通に歩いていたので「これは大丈夫なやつだな」と安心して、夜には転んだことも半分忘れてお酒を飲んだりした。
たぶんそれがいけなかった。店の外に出たときに、少し痛みを思い出した。おや?と思い、足を見ると右くるぶし辺りが左よりも少し腫れている。当社比1.2倍くらい。これはかなり残念なお知らせだった。
今回の帰省の目的であった結婚式で履くためにわざわざ持ってきた7.0cmのハイヒール。うーん、履けないかもしれない!!!!
翌朝も若干の腫れが残りつつ、まぁ普通に歩けはするけどね〜という感じで、足首を伸ばしてヒールを履くシミュレーションをしてみてはいける、、?どう、、、?と自問自答を繰り返した。最悪式までに低めのヒールのパンプスを買うか、、など考え、またしても余計な出費になるなぁと顔をしかめた。
とりあえず実家に帰り、母に報告すると「スニーカーだったよね?!」と爆笑された。もっと呆れられたり、最悪怒られるかと思ったので拍子抜けだった。一旦ヒール履いてみな〜と言われたので足を入れてみると、案外いけそうな感じ。靴は買わずにこのままでいくことにした。
そんな私を憐れんだ父と母が「これあるよ」「これ使えば?」サポーターやらネットやらテープやらをどんどん持ってきた。
そういえばここ数年たまに転んで怪我をすることが増えた母。父も最近ランニング中に転んだらしい。さすがに心配はしたが、このありとあらゆるグッズがポンポン出てくる現状に、あぁ、、なんて怪我に慣れた家、、、、思わず笑ってしまった。よく怪我をするのは遺伝なのかもしれない。ちなみに父にも「スニーカーだったよな?!」と言われた。うちの両親は転ぶ原因がすべて靴にあると思っているのかもしれない。

幸いにも、式当日の朝はあまり痛みも腫れもなく、若干の違和感がある程度で安心した。私の治癒力と軽症であったことと両親のグッズに感謝。
大丈夫だった〜と安堵して帰ってきた私に釘を刺すように「確かに私もよく転ぶけど、あなたの歳の頃には別に転んでなかったよ。あなたの足首リカちゃん人形みたいだからもっとちゃんと鍛えたほうがいいかも」と母。
リカちゃん人形みたいな足首、、、足首ってどう鍛えればいいんですか、、、、?